ビタミンA過剰投与ラットにおける骨端軟骨板初期変化に関する免疫組織化学的検索

概要

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ビタミンA過剰投与を行ったラットにおける骨端軟骨板の初期変化を免疫組織化学的に検索した. 4週齢の雄ラットにビタミンA10万IU/100g/dayを5日間連続経口投与し(VA群), 投与1日目から5日目にそれぞれ5匹のラットを安楽死させ脛骨を採取した. 対照群は同様に蒸留水を投与し, 脛骨を採取した. また, 安楽死の前に5'-bromo-2'-deoxyuridine(BrdU)を投与し増殖細胞の標識を行った. 作製した脛骨近位端の標本についてHE染色, I型・II型・X型コラーゲンおよびBrdUに対する免疫組織化学的染色を行った. この結果, VA群では, 投与2日目からBrdU陽性軟骨細胞およびX型コラーゲン陰性細胞層の減少, 投与4日目から, X型コラーゲン陽性細胞層の減少が認められた. さらに, 投与5日目には, 骨端軟骨板の骨膜近傍部位でII型コラーゲン沈着の減少, およびI型コラーゲンの沈着が認められた. 以上より, ビタミンA過剰投与ラットでは, はじめに休止軟骨細胞から増殖軟骨細胞への分化の抑制が生じ, 引き続き増殖軟骨細胞から肥大軟骨細胞への分化が抑制され, 軟骨細胞は正常な分化過程から逸脱した状態となり, 最終的に骨端軟骨板が縮小したものと考えられた.
社団法人日本獣医学会の論文
1999-03-25