ラットにおける3種類の嗅覚受容器の分化に関する免疫組織化学的研究 (解剖学)
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概要
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抗PGP9.5血清を用いた免疫組織化学的手法により, 胎子および新生子ラットにおける嗅上皮, 鋤鼻器およびマセラ器の発生過程を比較観察した. これらの嗅覚受容器は共通の原基である嗅板から発生し, 神経上皮の形態を呈した. 嗅上皮において抗PGP9. 5血清陽性を示す嗅細胞は胎齢13日に初めて出現し, 胎齢20日にはほぼ成体と同様の特徴を有していた. マセラ器は胎齢15日に, 抗PGP9.5血清陽性を示す感覚細胞の集塊として鼻中隅の尾腹側部に初めて出現した. その後マセラ器と嗅上皮との移行部において徐々に感覚細胞が減少し, 胎齢20日には嗅上皮から完全に分離した. しかし, 生後7日においても感覚細胞は塊状に集簇しており, マセラ器は未だ十分に成熟していなかった. 鋤鼻器は胎齢13日に鼻腔から分離し, 抗PGP9.5血清陽性の感覚細胞を含む管状の神経上皮の形態を呈した. その後, 感覚細胞は鋤鼻器感覚上皮において徐々に増加し, 生後7日には自由緑へと樹状突起を伸ばしていた. 以上より, ラットにおける3種類の嗅覚受容器は異なる成熟過程を辿り, 嗅上皮は胎生期において既にその分化を完了するのに対して, マセラ器および鋤鼻器は胎生期には未だ発生の途上にあり, 生後になってその分化を完了することが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
著者
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谷口 和之
岩手大学農学部獣医学科基礎獣医学講座
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谷口 和美
北里大学獣医畜産学部獣医解剖学講座
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谷口 和之
岩手大学農学部基礎獣医学講座
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谷口 和美
北里大学獣医学部獣医解剖学研究室
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谷口 和美
北里大学 獣医解剖
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及川 寿浩
岩手大学農学部家畜解剖学教室
-
斉藤 治美
岩手大学農学部家畜解剖学教室
-
谷口 和之
岩手大学農学部獣医解剖学教室
-
及川 寿浩
鳥居薬品株式会社医薬情報部
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谷口 和之
岩手大学農学部
-
谷口 和美
北里大学獣医学部
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