ネコの脛骨近位端軟骨組織におけるVI型コラーゲンの分布に関する研究(解剖学)

概要

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骨端軟骨板の形成および閉鎖の過程における分化初期の軟骨細胞の分布を調べるために, 生後1日から成熟期までのネコを用い, 脛骨骨端部軟骨におけるVI型コラーゲンの発現を免疫組織化学的に検索した.二次骨化中心が形成される以前の骨端部軟骨において, VI型コラーゲン陽性軟骨細胞は, 軟骨管周囲および関節軟骨にのみ認められた.二次骨化中心および骨端軟骨板形成後, 1〜3ヶ月齢では, VI型コラーゲン陽性軟骨細胞は, 上部休止細胞層に限局して認められたが, 成長するに従って増加し, 9ヶ月齢では, 休止細胞層全域に認められるようになった.骨端軟骨板閉鎖時においては, VI型コラーゲン陽性軟骨細胞は, 残存している軟骨組織全域で認められた.以上の結果から, 骨端軟骨板の形成過程において, 骨端軟骨板にVI型コラーゲン陽性を呈する分化初期の軟骨細胞が分布していることが明らかとなった.また, 成長するに従って, 骨端軟骨板における分化初期の軟骨細胞が増加し, 増殖, 分化する軟骨細胞が減少した結果, 骨端軟骨板の長軸方向への成長が停止し, 骨端軟骨板の閉鎖が生じるものと考えられた.
社団法人日本獣医学会の論文
2005-09-25