Campylobacter jejuniの血清に依存した細胞致死活性の発現とその性状
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
我々は, CHO細胞を用いた3種のCampylobacter jejuniのサイトトキシン(CTX)の検出法を考案した(三澤ら, 1994). 本研究ではこれらの検出法を用いて, C.jejuniBL107株の培養上清中に含まれる粗CTX画分の性状を調べた. その結果, 少なくとも3種類の性状の異なるCTXが検出された. すなわち, 牛胎児血清(FCS)添加培地を用いた測定系では, 易熱性で推定分子量50〜100kDaのCTXが検出され, 新生子牛血清(NCS)添加培地を用いた測定系では, 耐熱性で推定分子量0.5〜3.0kDaのCTXが検出された. 両測定系で検出されるCTX活性は, 還元剤の添加で完全に失活したが, トリプシン, リパーゼ, ノイラミニダーゼおよびβ-ガラクトシダーゼ処理では失活しなかった. いっぽう, 無血清培地を用いた検出系では, FCSやウサギ血清の添加で失活するが還元剤の添加では失活しない易熱性のCTXが検出された. FCS測定系では耐熱性CTXを検出することはできないが, この測定系にNCSを添加するとCTX活性が検出されるようになった. しかしながらウサギ血清の添加では検出されなかった. 以上の結果から, C.jejuniのCTX活性は, 検出に用いる血清に依存して発現することが判った.
- 1996-02-25
著者
-
高橋 英司
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医微生物学教室
-
高橋 英司
東京大学農学部獣医微生物学教室
-
大西 貴弘
大阪大学微生物研究所細菌毒素学分野
-
三澤 尚明
山口大学大学院連合獣医学研究科
-
伊藤 喜久治
東大 大学院農学生命科学研究科
-
三澤 尚明
宮崎大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
大西 貴弘
宮崎大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
伊藤 喜久冶
東京大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
Takahashi E
Department Of Veterinary Microbiology Graduate School Of Agricultural And Life Sciences The Universi
-
三澤 尚明
宮崎大学農学部
-
伊藤 喜久治
日本大学 生物資源科学部食品科学工学科
-
Misawa Naoaki
Veterinary Public Health University Of Miyazaki
関連論文
- ヒト大腸由来の抗菌ペプチドはMRSAの増殖を抑制する(第105回日本外科学会定期学術集会)
- Bacteroides sp. と Escherichia coli による胆汁酸の7α-水酸基に対する酸化還元反応の比較
- 台湾北部でのネコ免疫不全ウイルスサブタイプCの流行(短報)
- リジン脱炭酸能陰性Salmonella Enteritidisの薬剤感受性,ファージ型および遺伝子型(公衆衛生学)
- ヒトフローラマウスを用いた便秘モデル動物の作出
- Pasteurella multocida毒素およびBordetella bronchiseptica壊死毒素の培養細胞に対する作用の比較
- Campylobacter jejuni感染ウズラにおける壊死性肝炎の形成
- Campylobacter jejuniの血清に依存した細胞致死活性の発現とその性状
- 犬パルボウイルスおよびジステンパーウイルスに対する早期ワクチネーションの重要性
- ベトナム北部に棲息する家ネコおよびベンガルヤマネコのネコ由来レトロウイルスの疫学調査(1997年)(短報)
- RAPD-PCRを用いた林内放牧牛由来大腸菌汚染の新しい評価法の検討
- 犬ヘルペスウイルス感染症の血清診断 : ELISAの開発及び改良法による血清中和試験法二法
- ネコヘルペスウイルス1型赤血球凝集(HA)素の同定
- 感染株化細胞からのネコヘルペスウイルス1型赤血球凝集素の抽出
- CRFK細胞によるイヌコロナウイルスのプラック定量法
- ベトナムにおける猫由来レトロウイルス感染状況の南北地域間の差異(短報)
- ベトナムのイエネコおよびベンガルヤマネコにおけるネコヘルペスウイルス1型,ネコカリシウイルス,ネコパルボウイルスの感染状況の比較(短報)
- バキュロウイルス系を用いて発現させたネコCD56分子の解析 : 短報
- ヒト単純ヘルペスウイルス1型遺伝子UL20とUL21に相同性を持つマレック病ウイルス2型遺伝子の同定
- マレック病ウイルス血清2型糖蛋白M遺伝子の同定および構造 : ヘルペスウイルス属の糖蛋白M遺伝子との比較
- 腸内共生菌は小腸パイエル板抗原提示細胞の細胞応答を修飾する
- ビフィズス菌培養濃縮物投与によるマウス腸管内細菌の体内移行の抑制効果
- イヌヘルペスウイルス糖蛋白の感染細胞内における局在と輸送
- ネコヘルペスウイルス1型とイヌヘルペスウイルスの精製糖蛋白のマウスにおける抗体産生性
- 日本で分離されたイヌヘルペスウイルス株の制限酵素による分析
- 赤血球凝集性に関与するイヌヘルペルウイルスの47kDと変異41kD糖蛋白
- イヌヘルペスウイルス特異赤血球凝集性
- Lactobacillus bulgaricusの免疫賦活作用に関する研究 : 食品
- ネコヘルペスウイルス1型のネコTリンパ芽球細胞における複製
- ネコ免疫不全ウイルスに対する抗体調査
- ネコTリンパ芽球株化細胞(MYA-1細胞)におけるネコ免疫不全ウイルス(FIV)の持続感染
- 長崎県沿岸における Vibrio vulnificus の分布と環境因子
- 無菌マウス由来腸管免疫系細胞の抗原特異的なサイトカイン応答に対するマウス常在細菌刺激の影響
- 食品アレルギーと腸内フローラ : TCRトランスジェニックマウスを用いた解析
- マウス腸内に生息するClostridiumの16SrDNAのシークエンスを用いた分類 : 培養法とクローニング法による菌種の比較
- 腸管出血性大腸菌O157:H7投与マウスモデルを用いた宿主 : 腸内フローラ間相互作用の解析
- 宿主-腸内フローラ間相互作用の解析とその評価系の構築
- 獣医公衆衛生学における無菌生物学
- ヒトフローラマウスとヒト糞便フローラの in vitro でのイソフラボンの代謝性の検討
- ヒトの糞便から単離されたイソフラボン代謝性腸内細菌の in vitro におけるヒト糞便フローラのエコール生産性に及ぼす影響
- 放射線滅菌精製飼料の給与により発生した無菌マウスにおけるビタミンK欠乏症
- 乳児腸内フローラによる Escherichia coli O157:H7 排除機構の解析
- ビタミン・ミネラルと食物繊維をバランスよく含むシリアルは若年女性の肌状態に好影響を及ぼす
- イソフラボンの代謝吸収に及ぼす腸内細菌の影響
- ブロイラーにおける生菌・消化酵素入り混合飼料給与による効果試験
- MESラットにおける腸内腐敗促進メカニズム
- ヒトフローラマウスを用いたビフィズス菌増殖因子の評価の試み
- 牛の直腸および盲腸内容物からのベロ毒素産生性大腸菌分離
- マウス腸内フローラの立場から
- 北海道の環境水中におけるCryptosporidium parvumオオシストの検出
- 宮崎市におけるイヌの抗イヌパルボウイルス(CPV)抗体保有調査と二重抗体サンドイッチELISAによる抗CPV抗体の検出
- 細胞随伴性伝染性喉頭気管炎ウイルス生ワクチンを接種した鶏での細胞性免疫の役割と免疫欠損鶏でのワクチンの効果
- 伝染性喉頭気管炎(ILT)ウイルス弱毒株で調製した感染細胞ワクチン注射鶏における液性免疫応答と防御との関係及びワクチンウイルスの体内増殖
- ウシの志賀毒素産生性大腸菌の疫学調査と遺伝子解析(投稿論文, 研究報告)
- 140 Feline Infectious Peritonitis (FIP)に関する研究 : II. 病理学的研究(病理学分科会)(第72回日本獣医学会記事)
- 地域, 年齢の異なる牛の糞便内に生息するCampylobacterの違い
- MRSA感染が疑われた症例から得られた細菌同定
- 無菌ニワトリおよび通常の環境で飼育したニワトリにおけるB細胞ならびにT細胞の免疫組織化学染色法による組織分布の検討(短報)
- 腸内フローラと腸内病原菌
- プロバイオティクスと生体ホメオスタシス
- 腸内細菌叢と演出型
- 腸内フローラの構成と機能をめぐる新たな展開
- モデル動物による感染症研究の最前線 : シンポジウムの開催にあたって
- 疾患モデル動物--病因解析での役割と限界(11)疾患モデル動物と飼育環境
- Escherichia coli O157 : H7 の感染防御に関わる腸内フローラ構成
- 腸内細菌叢と生体恒常性 (12月第5土曜特集 21世紀に期待される医学・医療) -- (第7章 エコメディカルサイエンス)
- 腸内細菌と動物実験系 : 腸内感染モデルの開発
- 腸内細菌と動物実験系
- 実験動物における腸内菌叢の標準化の研究
- 高圧滅菌可能な実験用ステンレススチ-ル製アイソレ-タ-
- ネコヘルペスウイルス1型糖蛋白質の感染細胞内における局在部位およびエピトープマッピング
- ネコヘルペスウイルス1型(FHV-1)抗血清における補体添加による中和活性の上昇
- 動物園動物の血清診断におけるプロテインGの有用性とアジアゾウにおけるELISA法の確立
- ラットの腸管内細菌のエンドトキシンに対する能動免疫によるアルコール誘発性脂肪肝の阻止
- 枯草菌と大腸菌の酵素産生阻害を指標とした抗菌性物質の測定法
- 豚枝肉の細菌汚染の指標としてのリムラステストの応用
- ARB : rRNAデータベースの処理とプローブのデザイン
- ネコカリキウイルスに対する中和モノクローナル抗体の作製とその性状
- イヌアデノウイルス2型分離株の大・小プラック変異株
- イヌ由来 Pseudomonas aeruginosaの血清型と抗生物質感受性
- Feline Infectious Peritonitis (FIP) に関する研究 : I. わが国における自然感染例の確認と伝達試験
- ネコの呼吸器疾患より分離した細胞変性ウイルスに関する研究 : II. ネコのピコルナウイルスの性状と分類
- 31 Feline Infectious Peritonitis (FIP)に関する研究 : I. わが国における自然感染例の確認と伝達試験 (微生物学分科会)(第69回日本獣医学会)
- 93 動物園に飼育される鳥類のニューカッスル病について
- 1S2p01 無菌動物から見た腸内フローラの機能(中?それとも外?-腸内環境と微生物,シンポジウム)
- 乳酸菌の産生するバクテリオシンとその応用
- ネコカリキウイルス・サブユニット粒子の性状
- 「腸内共生菌と食の機能」研究-これからどうする日本?
- Bacteroides を定着させたノトバイオートマウスのパイエル板細胞は他の腸内共生菌の刺激に対しても効率的にIgA産生を誘導する
- 環境対策を考えた畜産経営(前)畜産における生菌剤の有用性について--地球環境,生物循環の重要性
- プロバイオティクスを取り巻く最近の話題 (特集 機能性食品素材の動向(1))
- 腸管出血性大腸菌O157を中心とした食中毒と腸内フローラ--プロバイオティクスの可能性
- 環境対策を考える畜産経営--畜産における生菌剤の有用性について
- 腸の健康を考える
- 腸の健康を考える
- 教育講演 腸内フローラと消化管バリヤ機能 (バクテリアとの共存と生体防御)
- 「いか塩辛」の水分活性と細菌汚染の実態調査
- プロバイオティクスの現状と有効性 (特集 プロバイオティクスは抗生物質に代わりうるか)
- CAMの血中濃度に及ぼす腸内フローラの影響
- ノトバイオートマウスにおける腸内フローラ構成と胆汁酸代謝