Pasteurella multocida毒素およびBordetella bronchiseptica壊死毒素の培養細胞に対する作用の比較
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概要
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Pasteurella multocidaの産生する毒素(PMT)とBordetella bronchisepticaの産生する懐死毒素(DNT)の細胞レベルでの作用を同一条件下で比較した.PMT, DNT共に, GTP結合タンパクRhoによって制御されていることが知られているアクチン線維の収束を促進した.しかし, DNTがこれまで報告されたようにRhoを直接修飾して, SDSポリアクリルアミド電気泳動上のRhoの移動度を変化させるのに対して, PMTではそのような変化は認められなかった.PMTは細胞内イノシトールリン酸を増加させたことから, フォスフォリパーゼCを活性化していることが示唆された.以上の結果から, PMTはRhoを直接の標的分子としないが, フォスフォリパーゼCを介して間接的にRhoを活性化しアクチン線維を収束させると考えられた.アクチン線維の収束を含むPMT, DNT間の類似活性の一部はRhoの活性化を介していると考えられる.
- 1998-03-25
著者
-
大西 貴弘
大阪大学微生物研究所細菌毒素学分野
-
松田 守弘
大阪大学微生物研究所細菌毒素学分野
-
堀口 安彦
大阪大学微生物病研究所分子細菌学分野
-
増田 美奈子
阪大・微研・分子細菌学
-
堀口 安彦
阪大・微研・分子細菌学
-
堀口 安彦
阪大・微研・分子細菌
-
堀口 安彦
大阪大学微生物病研究所・分子細菌学
-
増田 美奈子
大阪大学微生物研究所細菌毒素学分野
-
杉本 央
大阪大学微生物研究所細菌毒素学分野
-
堀口 安彦
大阪大学微生物病研究所 分子細菌学分野
-
松田 守弘
大阪大学微生物病研究所
-
杉本 央
大阪大学微生物病研究所感染症研究部門細菌毒素学分野
-
堀口 安彦
大阪大学微生物病研究所
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