部分空間射影による顔領域の抽出と追跡

概要

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動画像中の顔領域を追跡する手法としてテンプレート・マッチングがある.これは事前に抽出された顔領域をテンプレートとし,次フレーム中の顔領域候補との類似性を評価して追跡を実現する手法である.特定の顔ではなく一般的な顔を初期テンプレートする場合,入力画像上のノイズや背景に左右されやすく,高解像度を得るのは困難である.また,初期テンプレートが精度良く得られたとしても,類似性の評価関数として相関法やSSDAなどを用いた場合,抽出結果のいずれが蓄積されると,顔領域から外れて追跡してしまうという問題点が確認されている.これに対して,筆者らは部分空間法によって作成された顔らしさの特徴をもとに,静止画像中の任意の位置に存在する顔領域を抽出する手法[2]および,テンプレートと候補領域を顔部分空間に射影し,類似度を求めて追跡する手法[3]を提案している.これらの手法を用いると,特微量を保持・強調して顔領域を扱うことができる.そこで本研究では,濃淡動画像を対象として,探索領域中の顔領域候補を顔の部分空間へ射影することによって,顔領域を抽出して追跡する手法を提案する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-09-18