超音波2次元アクチュエータを用いた回転・直動モータの研究

概要

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精密リニアスケール用の内径数mm程度の円管内壁にさまざまなパターンを非接触で描くための精密描画器を取り付けて駆動するために, 接触している物体を直角2方向に独立に駆動できる超音波2次元アクチュエータを用いた, モータ軸の回転と直進が同時に可能な回転・直動モータを提案する. 比例制御をかけた駆動実験の結果, 回転方向と直進方向を同時駆動したときには, 定常偏差が回転方向で1.41°, 直進方向で0.73mmの良好な位置決め精度が得られた. しかし, 一方向駆動では, 定常偏差が回転方向で27.45°, 直進方向で20.3mmとなり, 位置決め精度が大きく低下した. そこで, この単独駆動時の位置決め精度低下の主因であった圧電素子の自己起電力による干渉を低減するために, 圧電素子にRC回路を並列に挿入して自己起電力の大部分を吸収し, 更に比例積分制御をかけて位置決めの高精度化を試みた. その結果, 一方向駆動時の位置決め精度を, 回転方向で0.05°まで, 直進方向で0.007mmまで向上させることができた.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-10-25