電界ストレスによるlow-k膜の比誘電率上昇(TDDI)
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概要
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低誘電率(low-k)膜の電界ストレスに対する安定性を調べた.BTS(bias-temperature stress)試験をおこなった結果,絶縁破壊するよりも早くlow-k膜の比誘電率(k値)がステップ的に上昇することを見出した.この新しい現象をTDDI (time-dependent dielectric-constant increase)と定義し,k=2.3-3.2の各種low-k膜について比較した.TDDIを特徴づける定量的パラメータ"TDDI寿命"および"k値上昇率"をさまざまな電界強度下で測定し,実使用電界強度0.2MV/cmに外挿した.その結果TDDIの程度は材料によって大きく異なり,TDDI寿命は30日〜1,000年,k値上昇率はO〜23%の範囲にわたることが予測された.このことは,材料によってはLSIの製品寿命の間にk値が大きく上昇してしまうことを意味する.そこでk値の長期安定性を保証するため,TDDIを考慮に入れた信頼性基準を提案した.すなわち実使用上k値の上昇が無視できるlow-k材料は(1)TDDI寿命>10年,または(2)k値上昇率<5%,のいずれかを満たす必要がある.このようなTDDI信頼性基準は,とくに次世代ポーラスlow-k材料を設計・選定する際に重要となる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-01-31
著者
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