カーネル判別分析を用いた顔と顔以外の識別

概要

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本論文では, 顔と顔以外を識別するために改良したカーネル判別分析を提案する.顔の検出問題では, 顔と顔以外の2クラスをどのように扱い, 識別機を設計するかが重要になる.顔以外のクラスは様々なパターンを含むので, 1つのクラスとして扱うのが難しい.従って, 単純に顔と顔以外の2クラスとして識別機を学習するのは適当でない.また, 単純に2クラスとして判別分析を適用した場合, 判別空間が1次元となり, 顔と顔以外を識別することが難しい.このような問題を解決するために判別基準を工夫し, 顔クラスの共分散を最小にし, 顔クラスの中心と顔以外の各サンプルの共分散が最大となるような判別空間を構成した.この工夫により, 高次元の判別空間が構成できるようになる.また, 本論文では, カーネル判別分析とカーネル主成分分析の密接な関係についても述べる.最後に, 公開されている顔画像データベースやWebから集めた多くの画像を用いた実験により, 提案手法がサポートベクターマシンと同程度以上の性能であることを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-01-11