ラット骨髄細胞培養における多核巨細胞の出現とその性質
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概要
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骨髓細胞を長期培養すると破骨細胞を生じるといわれている.これを確かめるためラット骨髓細胞培養からガラス片に多核巨細胞を出現させ, 出現条件の検討と分離破骨細胞との性質の比較を行なった.多核巨細胞は10または30%ウシ胎児血清または30%馬血清を含む培地中で多く出現したが, ラット血清を含む培地中では出現なかった.α-MEM, MEM, 199培地のうちα-MEMのときに最も多く出現した.この巨細胞は培養5日目に初めて出現し, 10日目に最大数となり以後減少した.ヒト歯牙切片上で培養すると10日目でもこの巨細胞は出現しなかった.骨髄細胞を培養したときより, 骨表面細胞を培養したときに本細胞は多く出現し, またガラスに非付着性の細胞から多く出現した.本細胞は分離破骨細胞と以下の点において異っていた.Fc及びC_3両レセプターを持つこと, カルシトニンの効果が無いこと, 骨吸収活性を示さないこと.これらの結果はこの多核巨細胞が破骨細胞と異っていることを示している.本細胞はマクロファージの多核体と考えられ, ガラスのような異物と長期間接触する間に骨髓マクロファージから形成されたものと考えられた.
- 九州歯科学会の論文
- 1986-10-25
著者
-
井上 博雅
九州歯科大学附属歯科衛生学院
-
小城 辰郎
九州歯科大学共用試験OSCE実行委員会
-
井上 博雅
九歯大・口細
-
小城 辰郎
九州歯科大学歯科補綴学第2講座
-
小城 辰郎
九州歯科大学osce実行委員会
-
内山 長司
九州歯科大学口腔細菌学講座
-
井上 博雅
九州歯科大学口腔微生物学講座
-
内山 長司
九州歯科大学
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