カラーペトリネットによるオブジェクト指向ソフトウエアのテストと解析方法

概要

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オブジェクト指向ソフトウエアは、従来のテスト方法では十分にテストできないという問題がある。その理由は、オブジェクト指向プログラムが、オブジェクトの生成やダイナミックバインディング、そして並行性など実行時に決定される特徴を持つためである。本稿では、カラーペトリネットを用いたオブジェクト指向ソフトウエアの新しいテストと解析の方法を提案する。カラーペトリネットは、形式記述言語の一つであるペトリネットを拡張したもので、並行性の解析能力を持つ。提案する方法では、ネットの爆発的増加を避けるために、カラーペトリネットのカラートークンにより、オブジェクトの識別を行なう。オブジェクト指向ソフトウエアをカラーペトリネットへ変換する規則を与えることで、並行性を伴ったオブジェクト指向の挙動の側面に関するテストと解析を可能にする。提案する方法は、本質的に言語と独立である。例としてJavaプログラミング言語で記述したプログラムをカラーペトリネットへの変換を取り上げ、提案する方法の有効性を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-11-21