レジスタ付き時間ペトリネットで記述された分散システムの時間制約付き全体仕様からその時間制約を満たす各ノードの動作記述の自動導出(<特集>並列・分散)

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リアルタイム分散システムを設計する一つの手法として, 各動作の生起時刻に時間制約が与えられた分散システムの全体仕様から, ノード(計算機)間の通信路の遅延時間等を考慮して, 与えられた時間制約を満たしながらメッセージ交換を行い, 全体仕様通りの動作をする各ノードの動作記述を自動導出する手法が提案されてきている. しかし, 従来の手法では, 並列動作の同期や, システムのリソースを取り扱えないクラスに制限されていた. 本稿では, 並列動作やその同期, 非決定的選択動作が記述でき, かつリソースを扱えるレジスタ付き時間ペトリネットモデル(TPNRモデル)を新たに提案し, そのモデルで記述された分散システムの全体仕様と各ノードへのリソースの配置指定, ノード間の通信路の最大遅延時間, ノード間のクロックの最大誤差が与えられたときに, (1)全体仕様で与えられるシステムが分散システムとして実行可能であるか(分散実行可能性)を判定し, (2)可能である場合には全体仕様の時間制約を満たす各ノードの動作記述を自動導出する手法を提案する. 提案する手法では, メッセージ交換の仕方などに一定の方針(模倣方針)を定め, その模倣方針のもとでの分散実行可能性判定を線形計画問題に帰着し, 各ノードの動作を実行可能な時刻の幅の総和を最大にする解を得ることで, 動作の実行時刻に関して自由度の高い動作記述を得る工夫を行っている. 本手法により, 設計者自身が通信動作に要する遅延時間を詳細に検討せずに, 動作の実行可能時間幅の広い動作記述を自動生成できる, 通信動作を直接記述する場合の誤りをなくすことができる, などの効果が期待できる.
1996-03-26

レジスタ付き時間ペトリネットで記述された分散システムの時間制約付き全体仕様からその時間制約を満たす各ノードの動作記述の自動導出(<特集>並列・分散)

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