分散問題解決による共有資源の効率的な実現

概要

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分散環境下で共有する資源の参照・更新時にはプロセッサ間で通信が行なわれる。分散処理の効率を考えるうえで, 通信コストは無視できない問題である。従来の資源共有方式である中央サーバ方式では資源の参照時に必ず通信が行なわれる。完全複製方式では通信を行なわずに局所的に複製を参照できるが, 更新時にプロセッサの数に比例した通信が行なわれる。分散共有メモリにおいて一般に使用される読み取り複製方式では, 前回の更新の後に1回でも参照したプロセッサの数に比例した通信が更新時に行なわれる。複製を作ることによって更新時の通信回数は増加するが, それ以上に参照時の通信を削減できれば効率的になる。そのために各プロセッサにおける資源の参照頻度を基に最適な複製の配置を決定する必要がある。また各プロセッサにおける参照頻度の動的な変化に対応する必要もある。そのために本研究では分散問題解決の枠組を利用して共有資源の実現を行なう。分散問題解決において問題プログラムと協調戦略とを分離して記述する方法が提案されている。その研究では, メタオブジェクトプロトコルを用いて, エージェントの持つ局所情報の変化に付随するメタレベル計算として協調処理を実現している。本研究では, 共有資源の複製の配置決定戦略を共有資源の参照・更新に付随するメタレベル計算として実現する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

分散問題解決による共有資源の効率的な実現

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