効率的なプロファイリングを目的としたメソッドキャッシュにおけるエントリ置換アルゴリズムの提案
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概要
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動的型付けOOPL(Object Oriented Programming Language)では実行時に型付けを行うため,型情報を用いた静的解析が困難となる.したがって静的解析で得られた情報に基づくコンパイル時最適化を施すことができず,実行時における動的な最適化が処理系全体の高速化に必要となる.動的型付けOOPLに適用できる最適化としてキャッシュ法があげられ,実装が容易であるメソッドキャッシュを利用するのが一般的である.メソッドキャッシュはメッセージ名(セレクタ)と引数の型の並びとを組としたシグネチャを鍵としてメソッドを検索するハッシュ表であり,そのヒット率は90%程度である.本研究では,最近よく使うメソッドがメソッドキャッシュ上にあるという性能を利用し,メソッドキャッシュにプロファイラとしての機能を持たせることを目的としている.具体的にはメソッドキャッシュ上のメソッド管理に使用するエントリにメソッドの呼び出しカウンタを持たせ,ヒットした場合は増加,ミスした場合は減少させることでプロファイリングを行う.これはエージングアルゴリズムと呼ばれる置換アルゴリズムを基にしたもので,メソッドキャッシュにおける効率的なエントリ置換アルゴリズムとして機能することからオーバヘッドが少ないプロファイリングが可能となる.本発表では提案するエントリ置換アルゴリズムにっいて述べ,また動的型付けOOPLであるSqueakの仮想マシンへ提案手法を実装した効果について説明する.
- 2007-06-15
著者
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