自己計測機能を含む並行プログラムの開発における計測仕様書とその応用

概要

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並行システムの信頼性を確保するためにその振舞いを監視・計測することは必要不可欠である.並行システムの全体性・不確定性といった性質から導かれる自己計測原理によると,並行システムの振舞いを正しく監視,計測するためには,システム自身が計測機能を備えていなければならない.本論文で提示する計測仕様書とは,自己計測機能を含む並行システムの系統的な開発を行うための1つの手法で用いるもので,本来の機能を果たす構成要素(機能部)の実行時情報のうち,計測の役割を持つ構成要素(計測部)が役割を果たすために必要な部分の要求を記述するものである.計測仕様書の具体例として,プログラミング言語Adaを対象とした仕様記述法を提案した.また,計測仕様書を解釈し,計測部と機能部から自己計測機能を含む並行システムの生成を自動的に行うことによりその開発を支援するツールを実装した.また,その応用例として,一般的な並行プログラムを対象としたタスキングデッドロック検出機能およびタスク実行履歴の視覚化機能,特定の並行プログラムを対象としたバッファ監視機能のための計測仕様書および計測部の設計を示した.
2002-03-15