構文木コーバスの再構成手法

概要

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近年、コーパスに基づく自然言語処理が注目を浴びている。頑健で高精度の構文解析の研究には、構文木コーバスを大量に収案し、文法の獲得、既存の文法の再訓練、解析結果の評価等に使用することが望ましい。しかし、構文木コーバスには、どのような文法理論に基づくかにより、様々なバリエーションが存在する。例えば、日本語の統語論は、主として文節間の係り受けを中心とした統語論(仮に「文節文法」と呼ぶ)と、統語的な主部と補部との関係を中心とした統語論(仮に「一般的な句構造文法」と呼ぶ)とに大別できる。これらの文法による構文木の構造は、図1[figure]が示すように、お互いに極めて異なっている。また構文木の構造以前の問題として、単語の分割基準や品詞体系も異なることが多い。そこで、本報告では、異なる文法理論に基づく構文木コーパスをできるだけ容易に有効利用するために、2つの異なる構文木を調整するための規則(構文木調整規則)を自動的に獲得する手法を提案する。また、獲得した規則によるコーバスの書き換え実験の結果について報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20