文頭からの意味的区切りの抽出による意味表現の生成

概要

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従来の音声対話システムでは、発話文の区切りは明示されるという仮定をおき、発話文全体の音声信号が得られたものとして音声認識や意味解析を行なうものがほとんどである。しかし、実際の対話状況では、断片的に発話を続ける、発話を途中で止めて言い淀む、発話内容を考えて中断する、複数文をきちんと切らずに発話する、などの現象が見られ、発話文の区切りは必ずしも明確には現れない。また、実際の対話進行において、我々は発話途中の文に対しても、自然に相槌を打ったり、うなずいたり、相手が言い淀んでいれば適切な応答を返すなどして対話を進めており、発話文全体を理解の対象としているわけではない。これらのことから、我々は発話の中に意味的なまとまりを見つけ、それを単位として段階的に理解を行なっていると考えられる。本稿では、このような人間の理解過程をモデル化するために、発話文の区切りを仮定した解析ではなく、発話の解析を発声単語順に順次進め、対話状況に見合う解析結果が得られた時点を意味的な区切りとして、意味表現を出力する発話解析システムについて述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20