会話音声認識における探索へのネットワークによる意味制約の利用

概要

論文の詳細を見る
従来の会話音声認識手法は、多レベルの知識を利用するために音素ラティスや単語ラティスのような中間表現を介してボトムアップに文仮説を生成するのが一般的であった。しかし、このような方法では、各処理レベル間の情報損失が大きいことが知られている。そこで、我々はHMMトレリス空間(時間×HMMの状態)上の探索によって、中間表現を経ない形での最適な文仮説の生成方法を提案している。音声言語の探索においては、その探索空間が膨大となるために、効率良く文仮説候補を生成できるアルゴリズムが求められる。探索における部分文仮説の評価値、すなわちその時点までの認識スコアは、音韻情報、語彙情報などにより算出される。しかし、スコア計算に用いる制約がゆるいために、結果として意味的に妥当でない候補が生成される可能性がある。この問題に対処するために、探索途上での部分文仮説候補の意味解析を行ない、早期に意味的に妥当でない候補を棄却し、探索空間を削減するという方法を考えている。部分文仮説の意味解析においては、対象とする部分単語列の構文木を求めるというような解析的な手法は実現が困難であり、音声言語の意味処理に用いるのには適切ではない。本研究では、ネットワーク構造により意味制約を実現し、ネットワーク上のメッセージ伝達による解析手法を提案する。また、計算機による個人スケジュールの管理というタスクにおいて、実際にネットワークを作成し解析を行なった。
1992-09-28

会話音声認識における探索へのネットワークによる意味制約の利用

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク