CSにおけるルール表現の拡張に関する研究

概要

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CS(クラシファイアーシステム)はGA(ジエネティックアルゴリズム)に基づく機械学習システムとしてHollandらにより開発された理論的枠組みである。このCSは高度に標準化されたメカニズムを持ち,簡単なスキーマを操作する事により動作するシステムで任意の環境において,何らかの実行を誘導するためのプロダクション・ルールを学習する機械学習システムである。CSにおいて学習の対象となるルール群はクラシファイアーと呼ばれ,このクラシファイアーの集合によりシステムの戦略が導出される。OSは提案されて以来いくつかの理論的研究や数種の応用例に関して高い学習性能を有する事が確認されている。CSが持つ利点としては,その並行性や単純なシンタックスによる簡便な条件マッチング,さらにGAを利用した探索空間の拡張などが挙げられる。しかしその反面,システムをうまく動作させるために適用されるメカニズムが必要となる。なかでもクラシファイアーの表記手法や競りと支払の機構,信頼度の分配などが主要なトピックスとなっており,適用するアプリケーションごとにそれらの合わせ込みが行われている。特にコーディング手法も含めたクラシファイアー表現方法の定式化に関して多くの問題点が存在し,その定式化により知識の表現能力とシステムの学習性能が決定される事が報告されている。すなわち,学習すべき問題のルール空間が大きい場合にはその全てをクラシファイアーの集合として保持することは困難となる。その結果,記述されたルールのみによる学習が行われ最適とはいえない解が導かれたり,または解に到達することさえ出来ない場合がある。そこで本報告では,この問題を解決するためにルールの表現方法の拡張を試みる。すなわち通常のクラシファイアーに対してフィルターの役割を果たすようなマスキングクラシファイアーを導入し,より広いルール空間の記述に関する提案を行う。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

CSにおけるルール表現の拡張に関する研究

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