概念説明文の文体と翻訳時の同義性確保の指針
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概要
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自然言語処理用の辞書を開発・改良する過程で、見出し語の語義に由来する個々の概念に対して自然言語で記述した説明文を付加し利用している。利用の目的は、現在のところ解析や生成に直接役立てるのではなく、その辞書を用いたシステムの出力や辞書内容そのものを効率良く検索し、理解し、評価することと位置付けている。すなわち、母国語話者の頭の中に存在する語および概念の知識と辞書内容とを照合するためのニモニックとして概念説明文を作成し、辞書開発そのものに利用している。概念説明文の作成にあたっては、人手でコーディングした語義文を初期セットとし、機械支援で改良を進めるboot-strap方式を採っている。辞書の改版の際に品質を保証するためには、ある改版サイクルの前後に、前述の利用目的に沿って性能を評価する基準を与える必要がある。そこで、例えば概念説明文が1つの概念を一意に想起させるか、などの7つの評価基準を設定し、これらの基準を詳細化したガイドラインを開発して改良を試みている。本稿では、概念説明文の評価・改良のためのガイドラインの中から、説明文のための文体上の特徴を分析した結果を報告する。この分析で得られた基本的なアイディアは、日本語表記の概念説明文、英語表記の概念説明文の違いを問わず適用が可能である。次に、日英両言語間に共通の概念を収録した概念辞書を構築しようとしたときその過程で必要となる、日英両言語を併記した概念説明文の組を開発するために概念説明文の翻訳時の同義性確保の指針について報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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