複数言語で記述した概念説明文の開発手法
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概要
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言語に依存しない概念のセットを備えた概念辞書を開発するためには、互いに異なる言語の語彙に由来する概念間の由来する概念間の類義性が評価可能となっている必要がある。概念の定義にはさまざまな方法があり得るが、実在論の立場からは、人間が読み、理解して評価できる自然言語による概念説明文を導入し人間を含んだ評価系を構築する必要がある。そして、互いに異なる言語に由来する概念を比較し、その結果を記述して残すためには、複数言語でk術した概念説明文が必要となる。本稿では、数10万個の日本語に由来する概念に対して日本語ならびに英語で表記した概念説明文を付与し、その可読性や一意性を漸進的に効率良く改良するための開発手法を報告する。以下では、まず次節で、初期データを人手によってコーディングし、計算機環境の支援によってデータの量的拡充と品質向上をはかる大局的なboot-strap方式の手順を紹介する。次に第3節で、ある時点の版の辞書の品質評価結果に基づいて次の版を改良する際に、改良を加える部分データの処理順序を最適化する局所的なboot-strap方式の手順を紹介する。第4節では、標題に記した辞書情報、すなわち複数言語で記述した概念説明文固有の漸進的な評価改良の手順を紹介する。ここでは、各言語の母国語話者のチーム間で評価結果と改良案を受け渡し合うことを特徴とするキャッチボール方式の改良手法を提案する。これらの手法により、高々数10人のチームで数年間という規模のコストで、数10万個の概念に対して、精度の高い複数言語表記の概念説明文にセットを開発する手法の確立を目指す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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