自然な発話における助詞「ね」とその後接表現
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概要
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ソフトウェアの要求獲得会議では、会議の性質上、そこで要求される内容に関して、要求獲得者と情報提供者との間の了解・情報の共有が不可欠である。しかし、例えば要求獲得者の了解・情報の共有の過程と程度は、情報提供者には見えにくい。逆も然りであり、第二者にいたってはなおさら見えにくい。もしも何らかの兆候によってそれを知ることができれば、さらなる了解・情報の共有を助長させる手だてを工夫できるかもしれない。これは、要求獲得会議の「質」を向上させるであろう。我々は要求獲得の試行会議から、了解・情報の共有の兆候は、(1)同意・確認・強調など対話者とコミュニケーションを密にしようという意図、を反映した言語現象として現れることを推察した。さらに聞き手側は(2)Turn-taking、話し手側は(3)助詞「ね」、という現象で観察できることが推察された。すなわち、助詞「ね」はコミュニケーションを密にし、コミュニケーションを密にしようという意図は助詞「ね」に現れるものと推察された。これは無統制な試行会議からの推察であり、この結果だけからでは、助詞「ね」の頻度とTurn-takingの増減とコミュニケーションを密にしようという意図との関係がわからない。そのような関係は統制された実験から得られるものと思われる。そこで、この試行会議とは別途行なっていた実験のコーパスをもとにして、最低限のTurn-takingであるあいづちと助詞「ね」との関連についても分析した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-03-15
著者
-
大森 晃
東京理科大学
-
土井 晃一
株式会社富士通研究所情報社会科学研究所
-
大森 晃
東京理科大学 工学部
-
土井 晃一
株式会社富士研究所コンピュータシステム研究所ドキュメント処理研究部
-
土井 晃一
富士通研究所国際情報社会科学研究所
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