オブジェクト指向開発手法における「関連の設計」 : 実装言語をC++とした場合
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概要
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ソフトウェア開発のためのよりよい手法が望まれるなか,オブジェクトを中心に分析・設計・実装を行う手法として「オブジェクト指向開発手法」が注目されている.これは多くの利点を持つ一方で技術的な問題も抱えている.その一つとして,関連の設計に関して体系的な手法が整備されていないという問題点を挙げることができる.よく用いられるオブジェクト間の諸関係のうち関連は,OOP言語がそれに対応する機構を備えていないために実装(コーディング)上の技術的ボトルネックとなり,実装できるように関連を設計することを余儀なくされるというのが技術的現状である.15種類のオブジェクト指向開発手法(Booch,CCM,CoadYourdon,OMTなど)の設計フェーズにおいて関連がオブジェクト間の関係のタイプとして用いられているが,関連の設計に明示的に言及している手法はOMT(Object Modeling Technique)法だけである.しかし,OMT法はごく簡単な技術的示唆しか与えていない.このように,関連の設計は現在のオブジェクト指向開発手法においてかなり共通した技術的課題であるにもかかわらず,そのための体系的な手法は未整備であるというのが現状である.そこで本研究では,関連の設計に関する体系的手法の整備に向けてポインタ関連図,メッセージフロー図などを提案し検討を行う.オブジェクト指向開発手法としては関連に関してかなり豊富な概念を有するOMT法を主な対象としているが,オブジェクト間の関係のタイプとして関連を用いる他のオブジェクト指向開発手法にも我々の提案は役立ちうるものである.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-03-06
著者
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