車々間通信システムを用いたネットワークの構築方法に関する提案

概要

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今や自動車は、我々の日常生活に欠かすことの出来ないほど身近な存在となっている。しかし、その一方で交通の発展は、交通事故を始め、渋滞、騒音、大気汚染などの様々な社会問題を生み出し、昨今の社会的な問題の一つになっていることも事実である。このような交通事故を防ぐために従来は、周囲の情報をドライバー自身が知覚し、ドライバー自身がそれを判断し、車両を制御して、安全を確保してきた。しかし、ここには人間の知覚限界があり、人間の判断にはミスが伴う。この問題の解決法として、これらをカバーするため、車両自身が周囲の状況を知り、判断すればよいのではないかと考えた。そこで我々は、車同士が通信をするシステム、車々間通信システムを基本とした車に関する統合的な情報ネットワークシステムの構築を提案する。このネットワークの応用として、事故情報の伝達、操縦補助による事故の防止、渋滞情報、RACSシステムの補助等、さまざまな例が考えられる。本稿では、このシステムの下位レベルにあたる車両間ネットワークの通信開始手順を提案し、シミュレーションによって評価、検討を行った。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-03-07