雑草木の刈り払い方法が植栽木の成長に与える影響

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下刈作業の機械化や省力化のための基礎資料を得る目的で, 刈り払い高がその後の雑草木の植生高回復に与える影響と植栽木のまわりの雑草木の刈り残しが植栽木の成長に与える影響について, 東京大学千葉演習林のスギ, ヒノキ造林地を試験地として検討した。刈り払い高を変えた試験は, 斜面上部のヒノキ造林地で, 優占していたススキ, ニガイチゴ, フジウツギおよびクロモジを材料として, 異なる地上高で刈り払いを行い, その後の植生高の回復を調べた。刈り払い高の影響は, ススキで最も顕著に現れ, 刈り払い高が低いほどその後の植生高の回復が遅れる傾向がみられた。植栽木のまわりの雑草木の刈り残し幅を変えた試験は, 斜面上部のヒノキ造林地3カ所と斜面中腹のスギ造林地3カ所を試験地とし, 植栽木の樹冠露出度, 肥大成長, 樹高成長に与える影響を調べた。スギ, ヒノキともに, 刈り残し幅が広いほど雑草木によって被圧される個体の割合が高くなった。雑草木による被圧の影響は, 樹高成長よりも肥大成長の方に敏感に現れた。植栽木のまわりの雑草木を広く残すような下刈作業であっても, 成長のよい造林地の場合には, 植栽木の成長に対して大きな効果を示すことが示された。
日本森林学会の論文
1993-09-01

雑草木の刈り払い方法が植栽木の成長に与える影響

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