東京大学千葉演習林および関東周辺におけるモミ天然林のアロザイム変異
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概要
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東京大学千葉演習林内2箇所および関東地方周辺3箇所(高尾、丹沢、天城)の合計5箇所のモミ天然林集団について8アロザイム遺伝子座の遺伝的変異を調べた。各集団内の遺伝的変異Heは0.077-0.147(平均0.116)であり、他の長命の樹木種や日本産針葉樹木と比較して低く、他のモミ属樹木とのみ比較してもやや低かった。集団内変異が最も高かったのは天城集団であり、千葉演習林内の2集団は他集団と同程度の遺伝的変異を保持していた。遺伝的分化係数G(S)は0.025で、遺伝的変異の大部分が集団内にあり、5つの集団間はほとんど分化していなかった。その中でも特に千葉演習林内の2集団は遺伝的に1つのまとまりと考えることができ、他方、高尾集団は他の集団と遺伝的に最も異なるという構造が示唆された。千葉演習林におけるモミ天然林集団は関東周辺のモミ天然林集団に典型的な遺伝的変異を持つと考えられた。
- 2005-06-00
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