複合的路網の整備目標
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概要
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低規格構造の林道は,開設費が安価なため,その開設延長は急増しており,将来,これら低規格の林道と上級林道を組合せた複合的な路網体系の確立が急務である。ここで高規格林道に対応する生産システムの生産費をKHとし,低規格林道に対応する生産システムの生産費をKLとする。Kは林道開設費Kr,集材費Ks,および非生産的労務費Kwの関数である。KLを最小にする林道密度が低規格林道の適正林道密度dLとなる。一方,KH=KLのときの林道密度dcに対して,林道密度がdcに達するまでは高規格林道を利用した大規模な集材システムで作業が行われる。dc以上では低規格林道を中心とした小規模集材システムが有利となる。本文表-1に想定した各作業システムの集材費Ks(円/m3)=αL+β(L:平均集材距離)は,理論功程式に基づいて一次回帰した結果,表-4のようになる。このとき複合路網密度の算定結果は,表-5,6のようになる。複合的路網では低規格林道の開設量が多くなるので,防災的観点から,縦断勾配を4~5%以内に制限することが必要である。一方,高規格林道は必要に応じて制限勾配を緩和し,舗装や排水施設の充実が図られるべきである。Low-standard forest roads are so inexpensive that they have been constructed increasingly. We analyze synthetic forest-road networks of high and low quality, and derived the optimum road density for each. We define KH as the high-level production cost using high-standard forest-roads and high-horsepower logging machines, and KL as the low-level production cost using low-standard forest-roads and light-type logging machines. Here, K is the sum of the forest-road cost Kr, the yarding cost Ks, and the travel cost Kw of labor to the operational site. The high-level production systems are built until the forest-road density reaches dc which is the density when KH is equal to KL. The optimum density of low-standard forest-roads is dL, which makes KL a minimum. The low-level production systems are more available than the high-level ones when the road density is over dc. Some examples of operating systems are shown in Table 1. Each Ks, where Ks=αL+β and L is the average operational distance, is determined by the theoretical operational efficiency. The synthetic forest-road densities are shown in Tables 5 and 6. In realizing synthetic forest-road network systems, it is important to restrict the longitudinal grade of the low-standard forest-roads to less than 4 or 5 percent because the more low-standard forest-roads are constructed, the greater is the probability of suffering from disasters. High-standard forest-roads must be paved and always provided with drainage in case of unavoidable steep longitudinal grades.
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,東京大学農学部林学科,東京大学農学部秩父演習林,Department of Forestry, Faculty of Agriculture, University of Tokyo,University Forest at Chichibu, Faculty of Agriculture, University of Tokyoの論文
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