林業用機械のべースマシンとしての歩行機械(I) : 歩行機械の特性と傾斜地対応型の脚機構ならびに歩容

概要

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歩行機械の特性およびその林業用機械のベースマシンとしての可能性について検討を加えた。さらに, 山腹傾斜面を歩行移動する場合に必要なエネルギーを算出するモデルを作成し, 適切な脚と機構と, 歩行の仕方について歩行時のエネルギー効率の観点から検討を行った。歩行機械は, 傾斜安定性が高いこと, 地表に障害物がある場合の移動が円滑であること, 地表を撹乱しにくいこと等によって, 林業機械としての高い可能性があると考えられた。脚機構としては, すね部が膝関節において後方へ曲がる人型の脚と前方へ曲がる鳥型の脚の機構について比較検討を行った。その結果, 傾斜地の登坂歩行においては, 前者の移動仕事率が後者よりも小さく, また降坂歩行においては後者の移動仕事率が前者よりも小さく, 山腹歩行用機械のベースマシンの足まわり装置としては両者を適切に組み合わせて用いることが有効であることが明らかになった。また, 傾斜地の歩行においては, 平坦地の歩行における歩幅よりも大きい歩幅で歩行することが, 必要なエネルギーが少ないことがわかった。
1987-09-25