病原力の異なるマツノザイセンチュウの分泌するセルラーゼの性質
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概要
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マツノザイセンチュウの病原力の弱い培養個体群も, セルラーゼを体外に分泌していることを活性染色法により確かめた。マツノザイセンチュウが分泌するセルラーゼ酵素群の組成は, ニセマツノザイセンチュウとは異なるものの病原力の強い培養個体群と弱い培養個体群の間で違いはみられなかった。マツノザイセンチュウが分泌したセルラーゼの活性を比べると, 病原力の強い培養個体群の方が病原力の弱い培養個体群よりも強かった。またマツノザイセンチュウの分泌するセルラーゼが結晶セルロースを分解する能力をもつことを明らかにした。マツノザイセンチュウの分泌するセルラーゼがマツ樹体内においてもセルロースを分解しうると考えられた。以上よりセルラーゼがマツ材線虫病の病原物質であるという可能性がより確かになった。
- 日本森林学会の論文
- 1994-05-01
著者
-
益守 眞也
東大・農・造林
-
益守 眞也
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
佐々木 惠彦
東京大学農学部
-
佐々木 惠彦
日本大学生物資源学部
-
小島 克己
東京大学農学部
-
上條 厚
東京大学農学部
-
益守 眞也
東京大学農学部
-
小島 克己
東大アジアセンター
-
佐々木 恵彦
東京大学農学部
-
上條 厚
東京大学農学部:(現)三井物産株式会社
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