CMV感染タバコ植物体中におけるCMV病微発現遅延成分の作成
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概要
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CMVを接種したタバコ植物体中におけるCMV病徴発現遅延成分(SDC)の生成について検討した。6〜8葉期のタバコ(品種 Xanthi)の下位2葉にサテライトRNAを含まないCMVのpepo分離株を100μg/ml接種して, 25℃, 16時間日長条件で育苗した。7日後に接種直上位葉汁液を汁液接種と同様の方法で健全タバコに処理し, その4日後にCMV 10μg/mlを接種したところ,汁液自体に感染性がなかったにもかかわらず約40%の個体で病微発現が4〜8日遅延し, 汁液中にSDCが含まれていることが示された。SDCはタバコでは処理2〜8日後に移入葉から検出でき, また4〜8日後には移入葉から上位葉へ移行した。SDCはキュウリとトマトでのCMVの発病も遅延させ, アブラムシ接種したCMVにも効果があったが, Chenopodium quinoa とジュウロクササゲでの局部病斑の出現, タバコでのTMVあるいはPVYによる病微発現は遅延させなかった。野外条件下で, SDCを繰り返し処理したタバコの多くは発病が4〜20日間遅延した。接種直上位葉汁液中にはCMV抗原が検出される場合があったが, それとSDC効果の含有とに相関関係は認められなかった。SDCの効力はRNase A処理により失われた。また, SDCを含む汁液中からは電気泳動法によりCMVの2本鎖RNA3〜4に相当するバンドが検出されだが, CMVの1本鎖RNA 3またはRNA 4によるタバコへの処理ではSDC様の病徴発現遅延効果は認められなかった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1991-07-25
著者
-
匠原 監一郎
日植防研
-
大木 理
大阪府大院生環
-
大木 理
大阪府立大学農学部
-
匠原 監一郎
日本植物防疫協会研究所
-
高見 恭成
大阪府立大学農学部
-
井上 忠男
大阪府立大学農学部
-
井上 忠男
大阪府大
-
高見 恭成
大阪府立大学農学部:現在:宮崎医科大学医学部
-
大木 理
大阪府立大学農学生命科学研究科
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