アネモネおよびスモモ(プルーン)炭疽病菌の再同定
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概要
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アネモネおよびスモモ(プルーン)の両炭疽病菌は既にColletotrichum gloeosporioidesと報告されているが, 病原の同定に疑問が生じたため, それらの再同定を行った。新病害報告のもととなった菌株を含め, アネモネでは静岡・愛媛県産菌株, スモモ(プルーン)では長野・岡山県産菌株を調査した結果, 培地上の生育はC.gloeosporioidesより遅く, コロニー裏面が淡橙色から赤色を帯びる菌株が半数以上に及んだ。アネモネ炭疽病菌の分生子は無色, 単細胞, 紡錘形, 長楕円形または円筒形で変異に富んでおり, スモモ(プルーン)炭疽病菌では紡錘形ないし楕円形であった。両病原菌の付着器は小型で, 淡褐色または灰黒色, 厚膜, 梶棒形, 倒卵形ないし楕円形で切れ込みはほとんどなく, C. gloeodporioidesのものとは明らかに異なった。以上の特性と形態より両病原菌はColletotrichum acutatum Simmonds ex Simmondsと同定されるべきものと判断された。両炭疽病の病原の訂正を提案する。
- 日本植物病理学会の論文
- 1996-04-25
著者
-
佐藤 豊三
四国農業試験場
-
佐藤 豊三
四国農試
-
飯島 章彦
長野県果樹試験場
-
上田 進
愛媛県経済連農業技術センター
-
手塚 信夫
野菜・茶業試験場
-
飯島 章彦
長野県農政部農業技術課
-
上田 進
愛媛県経済連
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