Stemphylium lycopersiciによるカランコエ斑点病(新称)
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概要
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1996年4月, 香川県の施設で栽培中のカランコエ(ベニベンケイ; Kalanchoe blossfeldiana Poelln, 品種; シンガポール)の葉に斑点性の病害が確認された。病斑は下位葉の両面に形成される傾向があり, はじめは小褐点で, しだいに拡大して直径1〜5mmの顕著な円形ないし楕円形の病斑となった。葉縁部に形成された病斑はさらに拡大し, 不整形となった。病斑数の多い葉は黄化・枯死・落葉しやすく, 湿潤条件下では, 病斑上に暗褐色ビロード状のかびが生じた。このかびはStemphylium属菌の分生子柄と分生子であり, 本菌を形態的特徴からS. lycopersici (Enjoji) Yamamotoと同定した。分離菌株の分生子をカランコエに接種した結果, 病徴が再現され, 接種菌が再分離された。また, 本分離菌はトマトにも病原性を示した。カランコエ属植物にはS. bolicki Sobers et Seymourが同様の病害を起こすことが北米から報告されているが, 同菌はトマトに病原性を示さず, 本病原菌とは形態的に異なる。本菌によるカランコエの病害は報告がないので, 病名をカランコエ斑点病と提案したい。
- 日本植物病理学会の論文
- 1997-08-25
著者
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