Colletotrichum acutatumによるトルコギキョウおよびビワの炭疽病
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概要
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千葉, 宮崎両県でトルコギキョウの茎葉に淡褐色, 楕円形の病斑が生じ, その上に橙色の分生子塊が形成される病害が発生し, 病斑より炭疽病菌が分離された。また, 千葉, 鹿児島両県で採集された腐敗ビワ果実より同様の菌が分離された。分離菌をそれぞれの宿主に接種した結果, 病徴が再現され接種菌が再分離された。なお, 既報のビワ炭疽病菌Colletotrichum gloeosporioides を果実に接種した結果, 病斑は出現したが分生子塊は形成されなかった。両分離菌は培地上の生育がやや緩慢で, コロニー裏面が赤色または暗褐色を帯びた。分生子層は剛毛を欠き, 分生子は無色, 単細胞, 紡錘形から長楕円形, 付着器は淡褐色厚膜, 倒卵形ないし楕円形で全縁であった。以上の特徴より両菌をColletotrichum acutatum Simmonds ex Simmondsと同定した。トルコギキョウでは未報告の病害であるため炭疽病と命名し, ビワではC. acutatumを炭疽病の病原に加えることを提案する。
- 日本植物病理学会の論文
- 1997-02-25
著者
-
佐藤 豊三
四国農業試験場
-
植松 清次
千葉県暖地園芸試験場
-
三浦 猛夫
宮崎総農試
-
溝口 一美
東臼杵北部農業改良普及センター
-
三浦 猛夫
宮崎県総合農試
-
禧久 保
鹿児島県立農業大学校
-
三浦 猛夫
宮崎県農政水産部営農指導課
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