プログラム開発体験に基づくソフトウェア技術者育成カリキュラム
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概要
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システム設計をおこなうことを業務とするシステム・エンジニア(いわゆるSE)の育成は,従来プログラマに対して,OJT(On the Job Training)の実施によりおこなわれてきた.これはプログラミング教育とシステム設計は別のものであると考えられてきたからである.しかし,小さな練習問題のプログラムでも,独立したシステムとみなすことができる.われわれは,プログラムをシステム的にとらえることにより,「よいプログラマは,よいSEになる」という立場にたつ.こうした立場からSE育成を考慮した初級・中級のC言語カリキュラムを作成した.本カリキュラムは,C言語の文法を教授するだけでなく,1)プログラム書法や例外処理の扱いを徹底する,2)ミニ・プロジェクトにより漸進的なプログラム開発を学習者におこなわせることを主目的に開発した.1)では,プログラム書法や,ユーザにとって使いやすいプログラムについて理解させる.2)では,プロジェクトを通じて,実際の開発現場で生ずるようなソフトウェアの進化を体験させることにより,仕様設計,モジュール分割や部品の再利用について理解させる.本カリキュラムを,約75時間の講義-演習時間で約50人の全くの初心者に実施した.この結果,ミニ・プロジェクトをうまく纏められることのできる学習者には,短時間でモジュールや仕様に対する認識が確立され,初級アプリケーションSE程度の能力が身に付くことが分った.また本カリキュラムを教授するためには,教師が十分なシステム構築経験を持っていなければならないことも分った.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-07-15
著者
-
大岩 元
豊橋技術科学大学
-
竹田 尚彦
愛知教育大学
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竹田 尚彦
豊橋技術科学大学情報処理センター
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竹田 尚彦
愛知教育大学総合科学課程情報科学選修
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竹田 尚彦
愛知教育大学情報科学選修
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竹田 尚彦
愛知教育大学 情報教育講座
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