日本産サンゴヤドリガニ類 : V. ケブカサンゴヤドリガニ属
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概要
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ケブカサンゴヤドリガニ属(Cryptochirus)は,紅海から採集されたケブカサンゴヤドリガニ(C.coralliodytes)を模式種として,HELLER(1961)により創設された。サンゴヤドリガニ類の中で最もよく知られているサンゴヤドリガニ(Hapalocarcinus marsupialis)(1属1種)の雌が,樹枝状サンゴに瘤を作るのに対し,ケブカサンゴヤドリガニ属のカニは雌雄とも主に塊状サンゴに棲管を形成する。このような生態と関連し,サンゴヤドリガニが比較的扁平な形態をもつのに対し,ケブカサンゴヤドリガニ属のカニは歩脚を縮めると円筒形に近い形となり,頭部は下垂して蓋状を呈する。ケブカサンゴヤドリガニ属に含まれる種として,これ庫でに11種,3変種が記載された。このうち,5種,1変種は別属へ移され,3種,2変種はその独立性に疑問がある。結局,現段階では,ケブカサンゴヤドリガニ,ミゾケブカサンゴヤドリガニ(新称)(C.edmonsoni),マルミケブカサンゴヤドリガニ(新称)(C.trii)の3種がこの属の構成種ということになる。これら3種はいずれも日本から採集され,寄主となるサンゴの分布域ではまれでないようであり,特に,ケブカサンゴヤドリガニは奄美,沖縄地方などではごく普通に見ることができる。
- 日本甲殻類学会の論文
著者
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武田 正倫
Department Of Zoology National Science Museum Tokyo
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武田 正倫
国立科学博物館
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田村 洋一
Department Of Zoology National Science Museum Tokyo
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田村 洋一
国立科学博物館動物研究部
-
田村 洋一
都立大
-
田村 洋一
Faculty of Science, Tokyo Metropolitan University
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