補体価の低下を伴った牛乳アレルギーの1例
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概要
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生後2週目から哺乳直後の水様下痢, 腹部膨満が出現し, ショック様状態で入院した生後1カ月の牛乳アレルギーの1例を経験した。入院時本児の皮膚反応は陰性であったが牛乳抗原によるPK反応陽性, 血清総IgE高値, RASTによる牛乳特異IgE抗体陽性からI型アレルギーの関与が考えられた。さらにCH50の著明な低下と各免疫グロブリンの牛乳特異抗体, 特に牛乳特異IgG1抗体の上昇, 血清に牛乳添加することにより補体吸収反応の亢進がみられたことからIII型アレルギー反応の関与が考えられた。605Zミルク開始後は血清総IgE値は1カ月後に低下しRASTは陰性化した。牛乳特異IgM, IgA抗体は1カ月後には消失し, IgG抗体は5カ月まで徐々に低下した。血清CH50は次第に上昇し正常化した。牛乳抗原添加による補体吸収反応は3カ月で低下, 5カ月で消失した。また妊娠中母親は多量の牛乳を摂取していたが母血清中の牛乳特異抗体は上昇しておらず, 本児の牛乳に対する各免疫グロブリンクラスの特異抗体は胎盤移行性ではなく胎内感作により本児自身が産生したものと考えられた。
- 日本アレルギー学会の論文
- 1993-01-30
著者
-
四宮 敬介
国立姫路病院小児科
-
井上 康広
国立療養所南京都病院小児科
-
細井 進
国立療養所南京都病院小児科
-
細井 進
赤穂市民病院小児科
-
林 野花
大阪府済生会中津病院小児科
-
大和 謙二
大阪府済生会中津病院小児科
-
吉島 聡
大阪府済生会中津病院小児科
-
畑中 武志
大阪府済生会中津病院小児科
-
末広 豊
大阪府済生会中津病院小児科
-
四宮 敬介
大阪府済生会中津病院小児科
-
四宮 敬介
昭和大学
-
林 野花
近畿大学医学部第四内科
-
吉島 聡
関西医科大学小児科学教室
-
四宮 敬介
大阪府済生会 中津病院
-
末広 豊
大阪府済生会 中津病院
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