合成GestagenであるEthynodiol diacetateの長期間持続投与による月経困難症および経口避妊の使用経験
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概要
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新合成gestagensとしてethynodiol diacetate (SC-11800) は従来のgestagenとはかなりちがう生理作用をしめすことはすでに知られている. われわれは, 前報ですでに基礎的な検討を加えてこの点を明らかにしてきたが, 今回は, このgestagen作用を利用して月経困難症に対して排卵抑制せずに臨床症状の改善をみるかどうか, 経口避妊として長期連続投与により性周期異常をきたすか避妊効果の有無など検討したので報告する. 1. 月経困難症に対して, single blindで検討した. SC-11800 0.35mgを連日, 月経開始第1日目より投与した. 著効が28%, 有効が24%, やや有効28%とかなり有効であることが判明した. 2. 経口避妊薬としての避妊効果は100%であり, 従来のcombination methodよりも簡単でよいという反面, 月経の発来がはつきりせず不都合であるとの訴えをみた. 3. 副作用を検討すると, 全症例を通じて僅か1例に中止したのみで, 臨床化学的検査, 肝機能検査でも, 全く問題になる障害はみとめられなかつた. 4. 月経周期異常, 排卵抑制の有無について検討すると, 少量のgestagensの持続投与では排卵を抑制しないというが, やはり45%に排卵抑制をみとめた. 周期異常, 不正出血などをみるとかなりの例にみとめられた. 以上のことより経口避妊として, また, 月経困難症に対する少量gestagens持続投与療法としてはその効果は大きいがなお排卵を抑制しないような量的検討, 不正出血, 周期のみだれなどの予防にも, なお検討しなければならない点が多い.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-06-01
著者
-
竹内 正七
新潟大学医学部産科婦人科
-
佐藤 芳昭
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
布川 修
新潟南病院産婦人科
-
広井 正彦
新潟大学医学部産科婦人科学教室
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布川 修
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
川越 慎之助
新潟大学医学部産科婦人科学教室
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