早産未熟児における生後ゴナドトロピン分泌動態と性差

概要

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在胎28〜42週の膀帯静脈血(男71, 女59)と, 早産児を主とした67名の児より得た5〜75目齢の末梢静脈血(男98, 女119)について, 血清中FSH, LH濃度をRIAで測定した.膳帯血中FSH, LHはそれぞれ3.9〜13.6mIU/ml, 43.3〜88.5mIU/mlの範囲で, 妊娠末期になるに従い減少した.性差は28〜31週でFSHが男<女であつた他は認められなかつた.生後血中FSHは早産男児において5〜10日齢で3.7〜4.7mIU/mlと膀帯血レベルに比し減少を示し, その後も4.1〜5.6mIU/mlと低値を続けた.しかし, 正期産男児と女児においては生後直ちに増加を示し, 11〜30日齢でピークとなつた後漸減した.また女児のこのような増加は在胎期間の短い児ほど著明で長期間続いた.生後血中LHは, 男女とも5〜10日齢で11.9〜29.8mIU/mlと膳帯血レベルに比し減少を示し, その後はFSHと同様の変動を示した.新生児期血中ゴオドトロピンは, 正期産児でLHが男>女の傾向を認めた他は, 一般に男<女で, このような性差は在胎期問の短い児ほど著明であつた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1981-10-01