Arbuscular 菌根菌が感染したアスパラガス実生への立枯病菌接種の影響
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概要
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Arbuscular菌根(AM)菌[Gigaspora margarita(GM), Glomus fasciculatum(GF)およびGlomus sp. R10(GR)]が感染したアスパラガス(Asparagus officinalis L., cv. Mary Washington 500W)実生へ立枯病菌(Fusarium oxysporum f. sp. asparagi)を接種し, 罹病状態について調査した.AM菌接種10週間後において, AM菌接種区では菌種に関わらず, 草丈, 茎数, 地上部および地下部乾物重の増加といった生長促進効果が現れた.しかし, AM菌感染率(1個体の根系における感染率)は菌種により異なった.AM菌接種10週間後に立枯病菌を接種し, 立枯病菌接種6週間後, 根腐れは全ての処理区で現れた.しかし, 罹病個体率はAM菌無接種区で最高の90%であり, AM菌接種区ではGF接種区で50%, GM接種区で40%, GR接種区で最低の20%であった.また, 根系における罹病程度については, AM菌接種区で無接種区より著しく小さく, その効果はGR接種区において顕著であった.吸収根におけるAM菌および立枯病菌の感染状態を観察したところ, AM菌接種区では無接種区より立枯病菌の侵入菌糸数が少なかった.また, AM菌および立枯病菌とも複相外皮の短細胞で高頻度の感染がみられたが, 両菌が共に感染している短細胞はみられなかった.これらのことから, AM菌が感染したアスパラガス実生において立枯病の罹病耐性がみられ, その効果にはAM菌の菌種間差があることが示唆された.また, この罹病耐性は, 吸収根の複相外皮の短細胞に感染したAM菌による立枯病菌の感染抑制が一因となっていることが示唆された.
- 園芸学会の論文
- 2001-03-15
著者
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