Arbuscular 菌根菌が共生したアスパラガス実生の温度ストレス耐性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Arbuscular菌根菌(AM菌)[Gigaspora margarita (GM), Glomus sp. R10 (GR)]が共生したアスパラガス(Asparagus officinalis L., cv. Mary Washington 500W)実生の生長に及ぼす温度ストレスの影響について調査した.変温条件[床土温度 : 25℃(16時間)/20℃(8時間)]下で7週間育苗後, AM菌感染率(1個体の根系における感染率)はGM接種区で63.0%, GR接種区で20.0%に達し, これらの植物体では菌種に関わらず共生関係成立による植物体生長促進効果が発現された.接種7週間後から低温ストレス条件(床土温度 : 15℃, 恒温条件)下で4週間育苗したが, この間, 無接種区では植物体生長が緩慢となった.AM菌が共生した植物体では, 特に4次茎以降の萌芽・伸長が促進され, その効果は特にGR接種区で大きく現れた.接種11週間後では, 感染率はGM接種区で48.9%, GR接種区で58.9%となり, 接種区の生長は無接種区よりも良好で, 植物体中のリン含有率も接種区で高かった.接種7週間後から高温ストレス条件(床土温度 : 30℃, 恒温条件)下で4週間育苗したが, この間, 無接種区では5次茎以降の萌芽が抑制された.接種区では特に5次茎または6次茎以降の萌芽・伸長が促進され, その効果はGM接種区で大きく現れた.また, 接種11週間後では, 感染率はGM接種区で66.3%, GR接種区で36.7%を示し, 両菌種で無接種区より旺盛な生育がみられた.これらのことから, AM菌が共生したアスパラガス実生において低温および高温に対する温度ストレス耐性がみられることが明らかとなり, 耐性がみられる温度域には菌種間差があることも示唆された.
- 2000-09-15
著者
関連論文
- イチゴのAMF共生下における萎黄病誘導抵抗性並びに抗酸化機能変動
- アスパラガスの生育阻害因子におけるAMFによる生育改善法の検討
- イチゴの温度ストレス耐性及び抗酸化酵素活性に及ぼすAMF共生の影響
- イチゴにおけるAMF共生による萎黄病および炭疽病耐性並びに抗酸化機能変動
- ドリテノプシスの生育とイオン吸収量に及ぼす培養液のイオン組成の影響
- 培養液のイオン組成がドリテノプシスの乾物重と成分組成に及ぼす影響(土壌管理・施肥・灌水)
- アスパラガスの生育不良株におけるPCR-SSCP解析
- 養液循環式 Ebb & Flow における供給窒素量の違いがミニバラ鉢物の生育に及ぼす影響
- 養液循環式 Ebb & Flow でのミニバラ鉢物栽培における土壌養液内窒素量の季節的変化
- 理科教材としての遺伝子導入系(3) : 学校教育現場で作出可能なトランスジェニック植物
- マングローブ植物類(Sonneratia caseolarisとAegiceras corniculatum)の組織培養条件下における養分吸収特性
- 容器栽培した 3・4 年生カキ樹(西村早生)の窒素吸収特性
- In vitroでのシクラメン組織からの器官分化に及ぼす生長調節物質の影響
- Arbuscular 菌根菌が共生したアスパラガス実生の温度ストレス耐性
- ウメ果実の有機酸含量による良品質ウメ干し生産のための収穫時期の判定
- ウメ果実のクエン酸集積に及ぼす果実発育期間中の気温並びに無機成分吸収の影響
- サンダーソニア(Sandersonia aurantiaca Hook.)のin vitroでの生育特性
- 岐阜県南部暖地におけるリンゴ栽培に関する研究 : 第1報 5年生リンゴ品種の栽培特性
- In vitroでのササユリの子球肥大に関する研究
- 芯止まり性トマトの生育特性
- カキのin vitroでの発根に及ぼす処理方法と培地中のショ糖濃度の影響
- 継代培養中のカキのシュートの葉からの体細胞胚形成
- シンテッポウユリのリン片からの子球形成に及ぼす諸要因
- 福井県におけるシンテッポウユリの切り下球(母球)利用栽培の検討
- Arbuscular菌根菌が感染したアスパラガスの立枯病耐性と根組織における繊維成分およびペクチン質含量との関連
- Arbuscular 菌根菌が感染したアスパラガス実生の立枯病耐性に及ぼす床土への数種土壌改良資材添加の影響
- AM菌が感染したアスパラガスの立枯病耐性における菌株間差ならびに根の複相外皮における感染特性
- 不織布ポットを利用した高設栽培における菌根菌共生イチゴの収量性
- イチゴにおける菌根菌による萎黄病および炭疸病耐性の品種間差並びに遊離アミノ酸変動
- イチゴにおける萎黄病菌と菌根菌による感染競合のSEM観察
- Arbuscular 菌根菌が感染したアスパラガス実生における紫紋羽病耐性
- 底面吸水育苗イチゴにおける菌根共生並びに萎黄病耐性
- 逆相TLCによるカキ葉フェノールからのIAAの分離
- 岐阜県内における Agrobacterium tumefaciens の分子生物学的手法による分類
- バラ'バルカロール'からの体細胞胚形成
- ポット耕型高設栽培における菌根菌共生イチゴの収量性
- Arbuscular 菌根菌が感染したイチゴ苗における高温ストレス障害の軽減
- イチゴ苗の遊離糖含量および高設栽培初期収量に及ぼす菌根菌共生の影響
- イチゴ苗の遊離アミノ酸含量に及ぼす菌根菌共生の影響並びにリン酸含量の関連
- 菌根菌が共生したイチゴにおける萎黄病および炭そ病耐性の菌種間差並びにリン酸含量の関連
- (205)Arbuscular菌根菌が共生したイチゴ苗の萎黄病及び炭疽病耐性の菌種間差並びにリン酸含量の関連(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- AM菌が共生したトマトおよびニンジン植物体におけるトレハロースの存在
- サンダーソニアの生長に及ぼすアーバスキュラー菌根菌接種の影響
- 温室内で育苗した柿実生における arbuscular 菌根菌の共生および菌種間差
- 温室内で育苗したトマト実生の遊離糖含量に及ぼすアーバスキュラー菌根菌の共生の影響
- ミニバラ鉢物生産における生育予測
- In vitro におけるバラの根頭がん腫病抵抗性の品種間差異
- カキ茎頂の in vitro のサイトカイニン反応性とその季節的変化
- カキ(Diospyros Kaki Thunb.)の実生個体のin vitroにおける生長
- 異なる根頭がんしゅ病菌系統に対するバラ品種の抵抗性の差異
- In vitro でのバラ台木の根頭がん腫病抵抗性検定
- アスパラガス実生の吸収根の外皮における arbuscular 菌根菌の感染形態
- ネギ成型苗生産システムにおける arbuscular 菌根菌の利用
- Arbuscular 菌根菌が感染したアスパラガス実生への立枯病菌接種の影響
- 7-8 AM菌が感染したアスパラガス実生における立枯病耐性(7.土壌病害)
- Arbuscular 菌根菌が共生したアスパラガス実生の生長に及ぼす温度の影響
- アスパラガス吸収根の外皮における arbuscular 菌根菌の感染形態
- (58) Pythium helicoidesによるバラ根腐病(新称) (平成10年度関西部会)
- カキ'富有'の花芽分化と発育
- Arbuscular菌根菌感染によるアスパラガス根細胞における微小管の配向変化
- カキ西村早生の根端細胞分裂の季節変化
- 培養したカキのシュートからの発根能力の品種間差異
- カキ西村早生の種子の発育不全について
- カキの茎頂培養における品種間差異
- ウメ樹における枝の齢と全アミノ酸及び可溶性糖類, デンプン含量の関係
- カキの茎頂培養に関する研究
- カキ西村早生の根端細胞分裂と地温との関係
- カキ西村早生の異常胚のう発生の年次変動
- カキ‘西村早生’の異常胚嚢発生に及ぼす夜間温度の影響
- カキ‘西村早生’の胚嚢の発育に関する研究
- AM菌が共生したアスパラガスにおける立枯病耐性に及ぼす数種土壌改良資材添加の効果(2002年度大会一般講演要旨)
- ウメ枝葉中の全アミノ酸及び全炭水化物含量と果実収量との関係
- "富有"における胚のうおよび種子の発育異常について
- カキ"西村早生"の花柱内での花粉管伸長に及ぼす温度の影響
- In vitro growth and rapid multiplication of Lilium japonicum Thunb.
- トマトセル成型苗における arbuscular 菌根菌の共生の菌種間差