PREDNISOLONE FARNESYLATE (PNF)のラットを用いた皮下投与による13週間反復投与毒性試験
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概要
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合成糖質コルチコイド製剤, ファルネシル酸プレドニゾロン(PNF)の皮下投与による反復投与毒性をCrj: CD (SD)系ラットを用いて検討した。PNFの0.03, 0.3, 3および30mg/kg/dayを背部皮下に13週間連日投与し, また対照物質としてPNFの30mg/kg/dayとほぼ等モルのプレドニゾロン(PN) 18.7mg/kg/dayを同様に投与した。1. PN18.7mg/kg投与群の雌雄全例およびPNF30mg/kg投与群の雌雄各10例中雄4例と雌3例が, 粗毛, 削痩等全身状態の悪化を呈して死亡した。病理組織学的に腎孟腎炎や諸臓器における腫瘍などの化膿性炎がみられたことから, ステロイド投与による衰弱と全身の化膿性炎がその死因と考えられた。また, 副腎, リンパ系器宮および皮膚の萎縮をはじめとして, 組織学的な変化が肺, 肝臓, 膵島, 骨および骨髄ならびに乳腺にみられた。2. PNFの30mg/kg投与群の生存動物でも死亡動物とほぼ同様の変化に加え, 血液学的検査で貧血, リンパ球の減少と分節核好中球の増加, 尿および血液化学的検査で主に肝臓や腎臓障害を示唆する所見がみられた。3. PNFの3および0.3mg/kg投与群では, 副腎, リンパ系器官および皮膚の萎縮などが用量依存的な程度と頻度でみられた。4. PNFの0.03mg/kg投与群では中毒性変化は認められなかった。5. 以上の結果より, 本試験におけるPNFの確実中毒量は0.3mg/kg/dayであり, 毒性学的無影響量は0.03mg/kg/dayであると判断された。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1992-11-30
著者
-
田村 一利
株式会社ボゾリサーチセンター
-
岡崎 修三
株式会社ボゾリサーチセンター 御殿場研究所
-
山崎 英一
株式会社ボゾリサーチセンター 御殿場研究所
-
星谷 達
株式会社ボゾリサーチセンター 御殿場研究所
-
田中 剛太郎
JEMS MMSトキシコゲノミクス共同研究グループ
-
田中 剛太郎
大鵬薬品工業
-
田中 英嗣
株式会社クラレ中央研究所 医薬開発グループ
-
田中 剛大郎
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
-
田村 一利
株式会社 ポゾリサーチセンター 御殿場研究所
-
穴吹 一広
株式会社ボゾリサーチセンター
-
岡崎 修三
株式会社ボゾリサーチセンター御殿場研究所
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