養分の吸収・分配,シンク(穂)の特性からみた関東146号(タカナリ)の多収性

概要

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インディカ系多収水稲品種関東146号,水原258号と日本稲むさしこがねの乾物生産,養分の吸収・分布およびシンク(穂)の特性を比較し,関東146号の多収性を明らかにした.1)関東146号は他の2品種より1穂籾数が多く,多数の籾を生産しシンクサイズが大きく,気象が平常の年には高収量(粗玄米重850gm^<-2>)が得られたが,低温寡照年にはソースの機能が十分発揮されず減少した(粗玄米重715gm^<-2>)2)関東146号は2次枝梗数が多いことにより1穂籾数が著しく多く,全籾に占める2次枝梗着生籾の割合が高かった.2次枝梗着生籾は穂の上位に多く分布し,関東146号の穂は高いシンク活性を有していると考えられた.しかし,関東146号は1株内において1穂籾数の変異が大きく,籾の登熱に不利な面も有していた.3)出穂期前の窒素追肥により2次枝梗の退化が少なくなり,窒素分施区の2次枝梗数,1穂籾数は全量基肥区より多かった.4)関東146号は,水原258号と同様出穂前の乾物生産量,貯蔵物質量,出穂後の上位葉の葉色がすぐれているとともに,PおよびKの吸収量も多く,ソースの機能もすぐれていた.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1992-10-05