暗期にイネ幼植物地上部の呼吸により放出される炭素の由来
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概要
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暗期におけるイネ幼植物地上部の呼吸基質の経時変化について, 定量的・定性的な解析を試みた. そのために, 定濃度・定比活性の^<13>CO_2を植物体に同化させることにより, 新規固定炭素(Current assimilates)と貯蔵炭素とを区別する方法を用い, 呼吸中の新規固定炭素の割合および植物体中の新規固定炭素化合物と貯蔵炭素化合物の含量を経時的に測定した. 呼吸速度は暗期中に一時的に上昇(MRR)し, 暗期開始13時間後に急激に低下するという経時変化を示した. 新規固定炭素由来(^<13>C標識)のCO_2の呼吸中に占める割合は, 暗期開始後6時間まで比較的高く, その後低下した. このことは, 新規固定炭素は貯蔵炭素よりも呼吸に優先的に使われ, MRRを含む呼吸を支えるが, 時間と共に消費され, それに伴い, 貯蔵炭素化合物が呼吸の主要な基質となることを示している. 暗期開始時の植物体内のショ糖含量は高く, また, その新規固定炭素の占める割合が高いことから, 初期においてはショ糖が主要な呼吸基質となっているが, 時間と共に, テンプンその他の化合物が次第に主要な呼吸基質になると結論された. 暗期開始後12時間の総呼吸中に占める^<13>C標識CO_2の割合は51%であった. このことは, 呼吸に使われる新規固定炭素と貯蔵炭素の割合がほぼ等しいことを示している.
- 日本作物学会の論文
- 1991-09-05
著者
-
米山 忠克
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
米山 忠克
農業研究センター
-
河内 宏
農業生物資源研究所
-
山岸 順子
東大院農生命
-
山岸 順子
東京大学農学部附属農場
-
河内 宏
生物資源研
-
米山 忠克
東大 大学院農学生命科学研究科
-
河内 宏
農業生物資源研
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