高等植物における窒素吸収同化関連タンパク質の役割とシグナリング制御(日本土壌肥料学会2005年度大会プログラム)
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概要
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高等植物では,植物のモデルとされる酵母とは違う窒素同化系すなわちグルタミン合成酵素-グルタミン酸合成酵素(GS-GOGAT)が作動していることが発見され約30年たった。その後植物の自律的無機態窒素の獲得,硝酸やアンモニアの吸収と同化,光呼吸でのアンモニア生成と同化,植物器官の老化と窒素の再転流などに関わる窒素代謝酵素の役割について検討され,よりリアルな窒素代謝の概念が確立されようとしている。さらに植物の窒素獲得と利用に関わるタンパク質は光や栄養の外部要因,内的代謝産物(メタボライト),器官の種類と発達状態などにより,その発現(mRNAの生成と分解)が制御されていることが明らかになってきた。遺伝子の解析から,窒素の吸収や同化,代謝に関わるタンパク質は単一でなく,いくつかの分子種があり,それぞれの遺伝子の発現のシグナリング制御は多様性と連鎖性をもつことが予想される。シグナリング制御の機構解明はチャレンジングなテーマであると同時に植物生産性の向上への重要なツールを生み出すと考えられる。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2005-08-05
著者
-
米山 忠克
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
Suzuki Akira
Unite de Nutrition Azotee des Plantes, Institut National de la Recherche Agronomique
-
Suzuki Akira
Unite De Nutrition Azotee Des Plantes Institut National De La Recherche Agronomique
-
Suzuki Akira
Unite De Nutrition Azotee Des Plantes Inra
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