煮干しの大きさと煮出し法の関係
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概要
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1)大きさの異なる煮干し(小羽、中羽、大羽)のだし汁の嗜好性及び溶出成分と煮出し法の関係を検討した。その結果、煮干しを30分間浸漬後1分間沸騰加熱した場合は、各煮干しとも評価が低かった。30分間沸騰を継続すると旨味が増し、各煮干しとも評価が高かった。30分間浸漬後3分間沸騰加熱した場合、小羽は評価が高かったのに対し、中羽や大羽は、旨味が十分溶出していないためか評価が低く、小羽が中羽や大羽に比べ成分の溶出が速い傾向が認められた。この傾向は溶出成分の分析からも確認された。この要因のひとつとして小羽の表面積が申羽や大羽に比べて大きいことが考えられた。2)煮干しだし汁の旨味は5'-IMP、5'-AMP、アミノ態窒素、a値、b値、全エキス分、有機エキス分、無機エキス分、リン酸の順で正の相関が高かった。3)各煮干しに適した煮出し法としては、小羽のように小さめの煮干しは、30分間浸漬後3分間沸騰加熱する。または浸漬なしで5分間沸騰継続する。一方、中羽、大羽のような大きめの煮干しを用いる場合は、沸騰後10分から30分間加熱することでより嗜好性の高いだし汁が得られる。
- 1997-02-20
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