五島牛肉の食味性について(第一報) : 肉質の特徴
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概要
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五島牛は、温暖な五島地区の牧場で飼育された黒毛和種で、素牛としてその品質の評価が高い。また五島牛肉についても、おいしい評価があり、その量が少ないため珍重されている。近い将来、子牛生産から肥育生産の地域内一貫生産が実現すれば、五島牛肉が多く利用できるので期待される。本研究は五島牛肉の食味に関係する肉質の特徴について、フローズンや県内産和牛肉と比較しながら、官能検査、理化学的性状や組織学的観察などを行い検討した。1)五島牛肉は、やわらかく弾力性や肉汁があり、味や匂いがすぐれていた。2)化学的特性として水分が少なく、粗脂肪含量が多く、加熱後の重量%が高かった。3)加熱肉の物性値は、針入度値が高く、弾性率と強靭性は低く、弾力性値が高い値を示した。4)生肉の色は鮮紅色でフローズンとの色差は大きいが、焼き肉にすると色差がなくなり肉眼では区別し難いことがわかった。5)五島牛の内もも肉には、さしが入っており、組織観察でも脂肪組織が他の肉に比べて多く散在していた。6)加熱肉の組織では、第1次筋束が細く、その筋束間には脂肪がよく沈着し、結合組織は細く、第1次筋束間はせまいことが観察された。また、他の肉に比べて筋線維の幅がせまかった。
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