咀嚼筋における緊張性振動反射(TVR)の筋電図学的評価
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概要
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咀嚼筋の緊張を評価する目的にて咬筋における緊張性振動反射(TVR)について筋電図学的に研究した.被験者は咀嚼筋に自発痛, 圧痛を自覚しないボランティアの成人男性16名(20-45才)とし, 座位にて頭部を固定し, バイトブロックを介して開口位にて実験を行った.振動刺激(約15m/s^2, 160Hz)は, オトガイ正中に20秒間加えた.筋電図は咬筋より表面電極で双極性に誘導, 記録し, 任意に設定した値(TVR index)にて定量的に解析した.咬合力はDental Prescale 50Hを用いて最大噛みしめ時の咬合接触点の圧を計測した.16名の被験者のTVR indexは最大22.7%, 最小0.9%, 平均7.7%と個体差は大きく, このうちクレンチングの習慣のある被験者は無い被験者に比べ有意に高い値を示した.γ運動神経活動を抑制することが知られている塩酸トルペリゾン(100mg)の投与で, TVR indexは減少し, 2時間後に最小となった.臼歯部の咬合接触点での圧とTVR indexの間には負の相関(r=-0.504, p<0.05)を認めた.TVRは咀嚼筋の機能の一つとして, その緊張を評価するのに有効であると考えられた.
- 日本顎口腔機能学会の論文
- 1995-06-30
著者
-
中島 民雄
新潟大学歯学部口腔外科学第一講座
-
高田 佳之
新潟大学歯学部口腔外科学第一講座
-
高田 佳之
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻顎顔面再建学講座組織再建口腔外科学分野
-
山田 好秋
新潟大学歯学部口腔生理学講座
-
中島 民雄
新潟大学歯学部口腔外科学第一教室
-
高田 佳之
新潟大学医歯学総合大学院組織再建口腔外科学分野
-
中島 民雄
新潟大学歯学部口腔外科学第1教室
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