女子下顎前突者の身長, 下顎骨, 手骨の成長タイミングについて
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概要
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思春期性成長期における女子骨格型下顎前突症の全身成長のタイミングの特徴を明らかにするため, 横断資料を用いて骨格型に調和のとれた群と比較検討を行った。研究対象として, 骨格型下顎前突症と診断された日本人女子(以下, ClassIII)および対照群として骨格型に調和のとれた女子(以下, ClassI)を初診時年齢によって6歳から13歳までの各年齢群および成人群に分類し, 各20名ずつ選択した。資料は, 側面頭部X線規格写真, 手骨X線写真, 身長計測値, および記録に残されていた76名の初経発現年齢のデータである。結果は以下の通りであった。1.身長の平均値においてはすべての年齢群でClassIIIがClassIを上回っていた。2.手骨の成熟過程を比較すると, 第三中節骨・腕骨骨端核ではClassIIIがClassIに比べ, 骨成熟の進行が早い傾向が認められた。3.身長と下顎骨長の相関は, ClassIIIではすべての年齢群において, ClassIでは8〜11歳群において認められたが, 12歳以後の相関は低くなる傾向を示した。4.初経発現年齢については, ClassIIIとClassIでは明らかな差は認められなかった。以上の結果から, 思春期性成長期における女子骨格型下顎前突症の全身成熟の進行はClassIと異なる傾向があり, なかでも下顎骨長は身長と長期にわたって有意な相関を示すことがわかった。
- 東北大学の論文
- 1990-12-28
著者
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