人為的な早期接触が脳血流動態に与える影響 : Functional MRIを用いた検討
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概要
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本研究の目的は,反対咬合症に多く見られる前歯部における早期接触を想定して咬合干渉を人為的に付与することにより,咬合異常が脳血流動態にどのような影響を与えるのかを機能的MRIを用いて明らかとすることである.対象は,本研究の趣旨を説明し,同意の得られた神経疾患の既往がない健康な右利きの成人男性10名(平均26.5歳)とした.中心咬合位,プレートによる咬合挙上,前歯部に斜面を付与したプレートにより人為的な下顎前方誘導時のそれぞれについてタッピングと安静を30秒ずつ6回繰り返してエコープラナー法にて撮像した.データ処理にはSPM99を使用し,平均的な脳血流賦活部位を求めて比較検討を行った.その結果,タッピングと安静時との差分解析により運動野,補足運動野,前頭前野などに有意差の認められる賦活部位が存在した.また,咬合挙上時から中心咬合位でのタッピングを引いた差分解析からは有意差の認められる賦活部位が存在しなかった.それに対して咬合干渉を与えたタッピングから中心咬合位,咬合挙上でのタッピングをそれぞれ引いた差分解析により高次機能に関わる前頭前野や頭頂連合野などに有意差の認められる賦活部位が確認された.以上のことから,早期接触は口腔周囲組織のみならず中枢神経系にも明らかな影響を与えており,密接な賦活領域の局在部位が存在することが示唆された.本研究結果は,咬合異常に対する中枢レベルにおける矯正治療の意義を示唆するものである.
- 日本矯正歯科学会の論文
- 2006-06-25
著者
-
三谷 英夫
東北大学大学院歯学研究科発達加齢・保健歯科学講座 顎発達・咬合形成学分野
-
三谷 英夫
東北大学 大学院歯学研究科 発達加齢・保健歯科学講座 顎発達・咬合形成学分野
-
三谷 英夫
東北大学
-
三谷 英夫
東北大学歯学部
-
三谷 英夫
東北大学歯学部発達加齢・保健歯科学講座顎発達・咬合形成学講座
-
佐藤 亨至
東北大学大学院歯学研究科発達加齢保健歯科学講座顎発達咬合形成学分野
-
渡部 芳彦
東北福祉大学感性福祉研究所
-
三谷 英夫
東北大歯・矯正
-
佐藤 亨至
東北大学大学院歯学研究科 口腔保健発育学講座 顎口腔矯正学分野
-
渡部 芳彦
東北福祉大学健康科学部医療経営管理学科
-
三谷 英夫
東北大学顎発達・咬合形成学分野
-
三谷 英夫
東北大学歯学部歯科矯正学講座
-
三谷 英夫
東北大学歯学部矯正科
-
中條 哲
東北大学大学院歯学研究科 口腔保健発育学講座 顎口腔矯正学分野
-
渡部 芳彦
東北福祉大学
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