骨成熟自動評価システム (CASMAS) を用いた下顎骨成長予測法
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概要
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骨成熟の客観的評価法の確立は, 多くの分野で重要な研究課題である.代表的な骨成熟評価法であるTanner-Whitehouse 2 (TW2)法は, 多くの欠点が指摘されているため, 日本人小児を対象とした新しい骨成熟自動評価システム(CASMAS)の開発を行い, 矯正歯科臨床への有用性を確認するためCASMASを用いた下顎骨成長予測の精度について検討することとした.スキャナーによりコンピュータに入力された左手全体のX線写真画像から, 自動的に第三指を検出し, 末節骨, 中節骨, 基節骨を自動的に抽出するアルゴリズムを考案した.これらの画像より自動的に長軸を設定して正規化し, 計測部位を自動設定してパラメータの算出を行い, 骨年齢を求めるためのシステムを開発した.まず本システムの信頼性を調べるため, 女子182枚, 男子191枚の手部X線写真を用いて, 欠点はあるものの今のところ最も客観的な評価方法として認識されているTW2法によって求めた日本人標準化骨年齢と本システムより求めた骨年齢との相関を調べた.次に, 最終下顎骨全体長(Cd-Gn)が明らかとなっている女子症例の思春期にある55組の側面頭部X線規格写真と手部X線写真を用いて最終下顎骨全体長の予測を試みた.予測の手法は, 成長期を通じて標準の下顎骨全体長に対するSDスコアは維持されるという仮説を適用した.その結果は, 以下の通りであった.1. 自動的に骨年齢を求めるシステム(CASMAS)が開発され, 本システムとTW2法による骨年齢とには相関係数0.9以上の高い相関が認められた.2. CASMASによる最終下顎骨全体長の予測値と実測値との誤差は平均1.66mmであり, この値は暦年齢を用いた予測値との誤差よりも小さかった.以上のことから, 新しく開発されたCASMASを用いた下顎骨成長予測法は, 日本人女子を対象とした本研究において, その有用性が確認された.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
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三谷 英夫
東北大学 大学院歯学研究科 発達加齢・保健歯科学講座 顎発達・咬合形成学分野
-
三谷 英夫
東北大学歯学部
-
三谷 英夫
東北大学歯学部発達加齢・保健歯科学講座顎発達・咬合形成学講座
-
佐藤 亨至
東北大学歯学部歯科矯正学講座
-
三谷 英夫
東北大歯・矯正
-
佐藤 亨至
東北大学大学院歯学研究科 口腔保健発育学講座 顎口腔矯正学分野
-
三谷 英夫
東北大学歯学部矯正科
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